森林の物質循環機能に関する長期モニタリング研究

 

責任者  高木健太郎・天塩研究林・准教授

 

概要

伐採や育林に伴う森林の物質循環の変化を長期モニタリングするために、2001年より観測を行っている151林班ヤツメの沢小流域の総合環境モニタリングを継続し、関連する研究成果を発信することを目的とする。これまでの14年間、伐採が炭素・窒素循環に及ぼす影響や、広域の森林蓄積量の評価、東アジアの森林の二酸化炭素循環特性に関する研究成果を発信してきた。今後も植林カラマツの生長に伴う、森林の炭素吸収量の増加傾向を明らかにするために継続観測するとともに、関連する調査・観測も継続して行う。研究期間中に観測項目すべての成果発表は難しいが、成果発表研究の基盤情報の充実や将来の研究材料/シーズ提供を狙い、現在行っている観測項目すべてを本研究課題に移行する。期間中外部利用希望や労働力・財源の変更に伴い、観測項目の修正を適宜行う。

 

期間 2015年4月1日~2018年3月31日


実施研究林(担当者)

天塩研究林 (高木健太郎・准教授)

 

観測項目

対象とする観測項目は以下の通り。明示していない項目については数秒以下の間隔でデータのサンプリングを行い、データロガーやハードディスクに自動記録される。共同研究者はネットワーク経由でデータの回収が可能。

 

・カラマツ(フラックスサイトとジャングルジムサイト)生長量

(担当:天塩研究林、10~11月に各1回)

・カラマツリターフォール量(フラックスサイトとジャングルジムサイト)

(担当:天塩研究林、5~11月に各月1回、サンプル回収と乾重計測)

・森林-大気間の熱・水・二酸化炭素交換量(担当:高木・三枝、通年連続)

・一般気象(各種日射量、気温・湿度、風向・風速、地温、土壌水分、地中熱流量、積雪深)

(担当 高木・三枝、通年連続)

・土壌呼吸速度(担当 梁・高木、無雪期のみ連続)

・高精度二酸化炭素濃度観測(担当 向井・高木、通年連続)

・大気降下物(担当 野口・山口・天塩研究林:3週間間隔でサンプル(フィルタパック、パッシブサンプラ、湿性降下物)回収と送付)

・河川水量(担当 野村・高木、通年連続、最大積雪時の積雪水量と積雪深の計測×1回/年)

・河川水質(担当 福澤・天塩研究林:3週間間隔でサンプル採取後北管理部へ送付、最大積雪時の融雪水の採集と送付、分析は基盤調査課題(水文・水質)で行う)

・河川リター(担当:天塩研究林、3週間間隔でサンプル回収と乾重計測)

・森林-大気間、及び土壌-大気間のメタン交換量、

およびメタンと二酸化炭素濃度のプロファイル観測(担当 植山・高木、通年連続)

・分光放射特性および植生写真(可視カラ―およびハイパースペクトル)撮影

(担当 井手・高木、通年連続)

・オゾン濃度(担当 高木・深澤、通年連続)

 

 

共同研究者

三枝信子・梁乃申・向井人史・小熊宏之・井手玲子(国立環境研究所)・野口泉・山口高志(北海道総合研究所)・植山雅仁(大阪府立大学)・岡田啓嗣(北海道大学)・深澤達矢(北海道大学)・野村睦・福澤加里部(北海道大学)

 

成果出版の目標

2018年度までに、最低限以下のテーマの研究を論文として投稿する。

・天塩研究林全域を対象とした森林蓄積量と炭素貯留量の空間分布評価

・伐採が森林の水利用効率に及ぼす影響

・伐採が河川水質に及ぼす長期影響

・植林地のメタン交換特性の季節変化・経年変化

・植林地の植生指標の季節変化・経年変化と植生指標を利用した光合成量の推定

・東アジアの森林の光合成量と呼吸量

・天塩研究林全域を対象とした炭素貯留量変化の空間分布とその要因の評価

・樹木根の体積はどのくらい?