中川研究林・森林管理体験会《早春の調査編》を開催しました。

 中川研究林・森林管理体験会《早春の調査編》を3/26に開催しました。北大内外の5名の大学生が参加しました。

 3月下旬、道北の森はまだ雪に覆われていますが、この時期に職員が行っている「毎木調査」の体験をしました。毎木調査とは、樹木の種類や量を「全て」(※基準の大きさ以上のもの)調べるというものです。森林を持続的に管理するために重要な調査で、中川研究林には50年にわたり調査

されている天然林のプロットがあり、今回

もそこで行いました。

 まず職員から樹種同定の基本について解説を聞きました。この時期はまだ葉をつけていませんので、樹形・樹皮・冬芽で判断することになります。このうち冬芽は樹種によって色・大きさ・形が異なり特徴的です。手に取れる高さにある冬芽を見ながら観察しました。

 そして調査現場でいよいよ毎木調査体験です。まず、毎木調査用のプロットを設定する必要があり、コンパスを用いた設定方法について職員から解説を聞きました。

樹木の量を評価するとき、面積あたりの量でないと、多いのか少ないのか分からないため、一定区画の設定を行います。

 調査では樹種同定と胸高直径の測定を行いました。樹齢150年を越える巨木も存在します。学生たちは協力しながら真剣に調査していました。また、樹種同定では職員のアドバイスももらいながら、樹皮を見て、上も見て、一本一本同定しました。小さなプロット内の調査でしたが、結構時間がかかることを感じたようでし た。

 昼には焚き火を囲みました。まずは協力して薪集めからです。火付けになるダケカンバの樹皮(ガンピ)や燃やす枯れ枝、串になるササを集めました。そして火付けのコツを職員から聞き、無事火がついたときには歓声が上がりました。そしてミニバーベキューを行いました。山の中で食べるとおいしいですね。これも春の調査の醍醐味の一つです。普段出来ない体験に皆わくわくした様子でした。帰りには雪混じりの雨の中でしたが、スノーモービル体験もしま

した。

 そして庁舎に戻った後にはデータ解析をしました。野帳データをパソコンに入力し、樹木の量を計算し、前回(9年前)の調査時より増えていることを確認しました。また樹種構成をまとめました。そして最後に班ごとに発表・討論を行いました。時間が十分とはいえませんでしたが、職員も交えて活発な議論が行われました。

 参加者の早春の森を楽しみながら真剣に取り組んでいる様子が印象的でした。今後

もこのようなプログラムを実施していきた

いと考えています。

          (中川研究林 福澤)