研究成果:片岡洋哉さんが第137回日本森林学会学生ポスター賞を受賞

片岡洋哉さん(小林研 MC2)が2026年度日本森林学会学生ポスター賞を受賞しました!

対象となった発表内容は以下のとおりです。

 

タイトル:積雪がリターの形質を介して山火事の燃焼挙動へ与える影響

著者:○片岡洋哉1 ・ 笠田実2 ・ 藤井佐織3 ・ 小林真2

所属: 1北海道大学大学院環境科学院 ・ 2北海道大学北方生物圏フィールド科学センター ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

 

要約:

近年、日本各地で大規模な山火事が社会問題となっています。今回の受賞研究で

は、山火事が起きた時に主な燃料の1つとなる落ち葉の形とその燃えやすさとの

関係について調査、実験を行いました。研究の結果、寒冷地の森林では、雪が地

面に積もった落ち葉の形を変えることで、山火事の発生様式(燃え広がりやすさ

や燃焼温度など)を制御している可能性が示されました。

この成果は、温暖化が進み積雪が減少した際には、落ち葉の形とともに山火事の

起こり方も変わることを示唆しています。

 

要旨(詳細):

気候変動に伴う積雪量減少が山火事シーズンを長期化し,山火事の発生件数が増加している.山火事の大半は地表火であり,林床に堆積した葉リターが主燃料となり,葉リターの形質やそれらが堆積したリターベットの構造と燃焼挙動との関係は明らかにされてきた。一方で,落葉後から山火事発生する時期までの積雪を含む気象要因が,葉リターの燃焼挙動に及ぼす影響は十分に検討されていない。本研究では,積雪量の違いが葉リターの形質および燃焼挙動に及ぼす影響を検証するため,少雪環境(北海道大学苫小牧研究林)と多雪環境(同雨龍研究林)において,両産地の葉リターを秋から春にかけて相互移植する野外実験と,雨龍研究林で積雪量を減少させた操作実験を実施した。その結果,葉リターの形質およびリターベットの構造はいずれの産地においても産地間より設置環境の影響を強く受け,多雪条件下では分解の進行と積雪の荷重による物理的圧縮により平坦なリターベットが形成された。これに伴い,延焼速度の増加と燃焼中の最高温度の低下がみられ,地表火の主燃料である葉リターの燃焼挙動は,葉の産地よりも落葉後に経験する積雪環境によって強く影響されることが示された。